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スズキさんの研究生活日記 兼 食堂めぐり


by ts-june18
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アフリカの飢餓

ぼけ~っとしながらテレビを見ていました.
スマスマの後はあいのり.

メンバーたちはエチオピアに入国し,アフリカのマザーテレサと呼ばれる女性に話を聞くことになりました.
彼女は孤児院で子どもたちの世話をしています.

「なぜこんなに飢餓が進行しているかわかりますか?」 と彼女はメンバーたちに問いかけました.

「伝染病が蔓延して,労働者が減った」 「知識が乏しくて農業の発展がなかった」 「避妊の方法を知らず子どもを作りすぎた」などとメンバーは答えます.

しかし,そこで聞かされたアフリカの飢餓の現実は違いました.



「飢餓の原因は,日本を含めた先進国の人間」
1960年代まではアフリカの家庭は自給自足の生活を行っており,飢餓はほとんど起こっていなかった.

しかし,1970年代に入って事態が一変.
先進国からアフリカにもたらされた「これまでの何倍もの収穫量がある作物の種」
これは「緑の革命」によって生み出されたものです.
「緑の革命」とは.
アメリカMonsanto社によって開発された遺伝子組み換えトウモロコシをはじめとした,何種類もの遺伝子組み換え作物.
病害虫や特定の除草剤に対して抵抗を持っており,害虫や雑草を排除しつつ穀物の収穫量を倍増させることができるようになった.
この一連の研究成果は "Green Revolution(緑の革命)" と呼ばれている.
論文セミナーで発表したし・・・ orz

先進国からこの作物の種を買い取った政府は金持ちの地主にこれを売却.
地主はより利益を得ようと 貧しい労働者たちから土地を買い上げ,さらに 広大な土地で作業するために高価な機械類も購入した.
一方で労働者たちは土地を失うだけでなく,職も追われるかたちとなった.

ところが土地と機械と「緑の革命」作物を手に入れた地主も,裕福な生活は送ることができなかった.
これまでのようにアフリカの国民の食料を作ることができず,タバコ,カカオ,ピーナッツなど,ヨーロッパ・アメリカ・日本のような先進国の人の嗜好品を作らされることになり,その作物も非常に安い価格でしか買い取られなかった.

「これじゃ植民地みたいなもんだよね」 とメンバーの一人はつぶやいた.



「世界で1年間に収穫される穀物は 約20億トン」
これは世界人口60億人の2倍の人口を賄える食糧だという.

ところが実際は,先進国にはほかの国の4倍もの作物があり,また世界の穀物輸入量の10%(第1位)を占めているのが日本.
ところが日本人が消費するのはそのたった1/3で,残りの2/3は家畜の飼料とされている.
昔は家畜は牧草で育てるのが普通だったのだが,霜降り和牛などの脂の乗った肉をとるため,飼料を与えて育てるのだという.
これらの牛が肉を1kgつくるのに与えられる飼料は8kg.

「8倍の量の穀物を食べているのに等しい」 とナレーターの言葉.



「今日1日で飢餓で亡くなった人の人数」
43,xxx 人

番組の最後に表示されたこの数字.
2秒に1カウントずつ増えていきました.



飢餓の表面的なことしか知らなかったこともショックだったし,自分たちがいかに満たされた生活に慣れてしまっているかを思い知らされた感じでした.

今TVで見たことを鮮明に覚えているうちに,覚えている限り書き留めておこうと思います.
この番組の内容が全てだとは思いませんが,先進国がもたらした影響は確かにあるはずだと思います.
自分の専攻にとても近い「緑の革命」という単語が出てきたことで,自分の中の何かのスイッチが入ったのかもしれません.



あいのりホームページはこちら



追記
イラク戦争で亡くなった兵士:1,300人
イラク戦争で亡くなった民間人:13,000人
(1年間で)飢餓で亡くなった人数:13,000,000人
だったかな・・・
最後の1300万人てのは衝撃的でした.
by ts-june18 | 2004-11-30 00:18 | 研究室にて